サボり魔の無気力君 2020-08-14 20:09:40 |
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>>幸くん
(二人分作ってくる、という此方の言葉に対して卵焼きを要求する彼に'しょうがないんだから'とふふ、と笑みを漏らして「分かったわよ」と返して。残り少なくなったお弁当箱の中身を食べ終えると、お弁当箱を再び丁寧に包み、鞄の中へとしまい込んで。次に顔をあげると彼が此方に見せびらかしてきたのは苺ジュース。確か学校の自販機に売っていたのを見たことがある、それが最近の彼のお気に入りなのか。「私も今度買ってみようかしら」、そう紡いで冗談交じりに「一口頂戴よ、」なんて付け足して。
此方のお願いにキョトンとした彼だったが、頷いて言葉を続けて。それを聞いた彼女はぱぁ、と顔を輝かせて。)
「本当?あの子達喜ぶわ、ありがとう」
(部屋掃除しとかなきゃな、とぼんやりと考えつつ同時に母の顔が浮かんだ。病弱な母だが、最近は恋愛じみた話を振ってくることが多い気がする。彼氏だなんだ、と騒ぎ立てなければ良いけれど。弟にも妹にも彼に迷惑をかけないように言い聞かせておかなければ、と考え始めればキリがない。だがそれよりも彼が家に来てくれるのを嬉しく感じ、何かおいしいものを作っておこうと意気込んで。)
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