ねぇ、振り向いて ≪ 〆 ≫

…俺の練習中にちょっかいを掛けてくるような人間はあんただけだ。部員ですらちょっかいなんて掛けて来ないぞ。道場裏なら…朝練が終わった後に着替えるのも楽だしな。防具も竹刀もすぐ取りにいけるし…。取り敢えず予備の竹刀、貸すから。
（自分が剣道の練習中に真剣なのは周りは周知していることで。何かしら用があり声を掛けられることはあれど、ちょっかいを掛けてくるような人物はおらず。道場裏で、と提案してくる相手に頷き。自分の荷物は部室でもある剣道場に置いておくし防具や予備の竹刀は部室に置いてあるため、道場裏ならば道具を持って往復するのもそれ程大変ではないと了承して。中庭と剣道場もそれ程の距離はないが、やはり何かがあった際に自分の荷物やら道具やらが近くにあるのは安心でき。それに裏とは言え、すぐそこの剣道場には自分と同じ朝練に参加する剣道部の部員もいる。ならば気になる点は相手である彼だけだが、別に断る理由も思い付かず）