ん…… (そう言い残し部屋を出ていった執事を視線で見送ると、自分はふぅ、と伸びをして。棚から一冊本を取り出そうと腰に刺さっている杖を抜き、今朝の彼のように一振り。お目当ての本は宙を舞ったかと思えば大きな音を立てて落下していき、自分でも思わず苦虫を噛み潰したような顔をして。立ち上がってそれを拾うと、何事もなかったかのように座り直し)