ロキ 2020-07-12 22:45:10 |
通報 |
( 彼女が浴室に向かった後、掃除用具を持ち運ぶと玄関付近を掃除し始めて。濡れた床を黙々と拭き取っていくも、先程の彼女の姿が脳裏をちらつく。濡れて強調されるラインや透き通るような肌、そしてストッキングを脱ぐ仕草、全てが魅力的だった。ついぼんやりとしてしまい、近寄ってくるみかんに気付かずにいて。不意に何かが触れてくる感覚にはっとしてそちらを見やると、自分の尻尾にみかんが戯れており。「…っ、」まさか、と驚いて自らの耳に触れると、そこには外出中は消していた筈の獣の耳が。自らの意思で消すことが可能だった亜人である証が、気付かない内に戻ってしまっていた事に動揺を隠せず。一体いつから──…、彼女に気を取られていて気付けなかったのか。もし彼女を意識した瞬間に──だとすれば、見られてしまっていたかもしれない。彼女からすれば、自宅であればそれらが出現するタイミングなど大した問題でもないのだろうが、疚しい部分を晒してしまったような気がして忽ち羞恥心に襲われる。何より自身をコントロール出来なくなる事があってはならない。ましてや恩人に対し劣情を抱くなど──、 )
最低、ですね……私は。
( 顔を歪めながら笑むと、擦り寄って来るみかんを撫でながら呟く。触り心地の良い毛並みを撫でながら軽く深呼吸すると、気持ちが少し落ち着いてきて。やがて風呂上がりの彼女が戻ると、控えめながらも柔らかな笑みを浮かべながら何事も無かったかのように返し )
──お帰りなさい、アヤナ様。色々とお気遣いありがとうございます。温かいものでしたら…シチューなどいかがでしょうか。確か材料は揃っていたかと。お風呂をいただいた後、夕食の準備をお手伝いいたしますね。
トピック検索 |