匿名さん 2020-03-29 00:14:35 |
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(此方が真剣に話しているというのに、彼の反応は全く見当違いなもの。話した内容の2割も彼には伝わっていないだろうが今の彼に何を話した所で意味は無さそうだと、呆れたように溜息を吐きつつ彼の準備を待つべく足元を雑誌やら何やらに阻まれた椅子を少し引き腰掛ける。足を下ろしておくと些細な弾みで辺りの物を盛大に崩してしまいそうで、椅子の上で膝を抱えるようにして忙しなく動き回る相手の行動を眺めていて。それにも飽きて先ほど見つけた漫画を読み進めること数十分、ふと顔を上げれば探し物をしつつ手が止まっている様子の相手が視界に入り態とらしく声をかけて。)
すみませーん、待ちくたびれたんですけど早くして貰って良いですかー
(漫画を一冊分読み終えた頃にはこの部屋に来て1時間が経過しようとしていて、ようやく相手の準備も終わった様子。雪崩を起こさないよう細心の注意を払いながら玄関に向かうと、スニーカーを履く相手のネクタイはいつもの如く緩く、結び方も怪しい。「…ネクタイ締めてあげようか?それか、簡単に付けられる蝶ネクタイでも買ってあげようか。」なんて尋ねつつ、靴に足を通して部屋を出れば快晴の陽射しに目を細めて。駐車場に止めてある車まで歩きつつ、待ちくたびれた腹いせにそんな皮肉をぶつけて。いつしか2人で任務に出向く時は自分が運転主を務める事が常になっていた。気のない返事を返しつつも相手の定位置でもある助手席の扉を開けて。)
喜一くんて本当健気だよねぇ。僕とのデートが楽しみ過ぎて支度に1時間も掛けちゃうなんてさ。…はいはい、助手席にどうぞ、お嬢様。
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