司書 2020-03-22 13:34:22 |
通報 |
>>825 ノア
要らねぇよ。御伽話みたいに家に帰れなくなっちゃ、俺の問題になるからな。
(冗談に包まれた感心の意に、これだから温室育ちのお姫様は。と肩を竦めた。お生憎様。そんなお優しい王様は自分の兄で。弟の自分は、ただ見返りを渡しているだけだ。無事に司書を学園まで帰すことが条件なのだ。どこかの童話のようにウサギを追いかけておかしな場所に迷い込まれても困る。家まで繋がる道にパンも落としていないのだから。軽い調子でブラッシングをすると言ってのける司書に、この世界に来た異邦人はみんなこうやって図太いのだろうか。と、ギョッとしたあと、呆れた目で首を横に振る。まるで娘が結婚にでも行くようにハンカチを出して心配のフリをしていたやかましいカラスを思い出して、こんな逞しい奴にああも過保護にならなくても良いんじゃないだろうか。と、本日何度目かのため息をついた。
そうして、街に到着したことをアナウンスが知らせる。「行くぞ」と声を掛けると、サバナクローの制服の何匹かの声がして思わず喉を鳴らした。「お前らじゃねぇよ」と珍しくからから笑いながら、ぞろぞろと生徒達が降りたあとのっそりとバスの出入り口まで向かう)
トピック検索 |