透明カメラ 2020-02-06 15:40:18 |
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「ああ……ウウウッ……!ハァ……何だ……何があった……?」
半ば訳も分からぬまま目の前の女性の手を取り、右足の痛みを唸り声を上げながら堪えつつ立ち上がれば、とにかく記憶の確認の為に尋ねる。自分や彼女、そして今の事、聞きたいことは山積みだが、相手に最優先の返答を期待して曖昧に。
何があったかは分からないが助けられて余裕が出てきたので、全身を見回してみる。さっき倒れていた時に認識したより、遥かにひどいようだった。
ことに右腕と右足には、何かの破片だろうか……拳大の尖った物が突き刺さっていて、濁った意識の中でも明瞭に痛みが脳へ届いている。本来なら立つのも厳しい激痛だろうが、アドレナリンが分泌されているからか常識的な痛みに収まってはいる。それで右足は左足に引きずられるように一歩ごとに立つのがやっと、右腕などは垂れ下がったまま、手のひらを弱々しく開閉できる程度だ。……そして気付いたのは、右肩からスリングベルトで下げられたデカい銃。彼女のそれと同型のようだが……。
(ありがとうございます、これからよろしくお願いいたします)
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