主 2019-12-11 01:03:56 |
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>橘先生
はぁ…職員室だったらまた戻らなきゃですね……。
(級友達の提出物を抱えながら理科室へと向かっていた。本来であれば言いつけられた人間が居たであろうそれは、教壇の上に所在なさ気に乗せられたままだったものだから思わず手に取りここまで歩いてきたが、一歩また一歩とその足を進める度にもしかしたら届け先は職員室だったかもしれない、と不安になる。それでもここまできたのだし、と理科室の扉をノックしようとした所で、低く鈍い音が鼓膜を揺らした。打撃音のようなそれに心がざわつくのを感じれば、もし襲撃者が侵入してきたのだとすれば、万が一にも自身の護衛対象に危害が及ぶのは避けたくて。手に抱えていたプリントをそっと足元に置けば、確かめるようにジャケットの下のデザートイーグルに手を這わせて一呼吸。そのまま、扉を開けた…が、その向こうに居たのはよく知る教員の姿で、呆気にとられてポカンと口を開けたまま。)
……先生?
(いつも穏やかな教員と普段と何も変わらない理科室の風景に自分の早とちりだと理解するのに時間は要らなくて、頬が熱くなり。ジャケットの下の手をすぐに取り出して両手を振りながら「あの、えっと…ち、違うんです!あの、なんか…勘違い、したみたいで…」と慌てながら弁明して)
(/見落としててごめんなさい!絡ませていただきました、よろしくお願いします)
>海原くん
?例えば?……例えば、恭司郎といる時…とか?
(彼があまりにも驚くものだからなんだか居た堪れなくなって、自分の護衛対象の名前を出してはみたものの、そこで首を傾げて考えた。いや…もしかしたら笑ってる事より彼に対して怒ってることの方が多いかもしれないと省みれば、バツが悪そうに眉を下げ。「あ、でも甘いもの!甘いもの食べてる時!」甘いものを食べている時は腑抜けた顔をよく見せると家でも揶揄されていたのを思い出せば、確かに自分でも口元が綻ぶと思いながら、彼と共に図書棟へと向かう。「だから、カフェテリアは楽しみです」とケーキに思いを馳せれば自然と笑顔を相手に向ける事になり)
>恭司郎
…こんな護衛者、ダメですね…
(小さく呟きながらすん、と鼻をすすれば手を置かれた頭は先程掴まれた腕とは質の違う温もりを訴えかけてくる。きっと、護衛対象にこんな顔をさせるのは護衛者としては落第点で、だからこそ自分の不甲斐なさが嫌だった。泣いた事で彼に弱いと思われて居ないだろうかダメな護衛者だと思われて居ないだろうかと不安になる。銃の扱いが上手くなっても結局自分は護衛者に向いてないのだろうか、とも。それでも自分は護衛者で、ならばこそもっと、もっと強くならなくちゃいけないのだ…彼が認めてくれるくらい強く。そう思えばもう涙は止まっていて。さも申し訳無さそうに謝ってくる彼に言いながらも、それは自分に向けた宣言のようで。)
私も、ごめんなさい。泣いたのは本意じゃないです…もう、絶対泣かないので
(彼が何か言いかけたのとほぼ同時に彼を挟んだ向こうから声が飛んできた。彼の肩越しに覗き見れば教員が向かってくるのが見えて、級友の誰かが告げ口でもしたのか、はたまた彼の怒号が職員室にまで聞こえたか…後者にしては随分遅かった事を考えれば対面で蹲み込んでいる彼にだけ聞こえる声でそっと「お願いですから、恭司郎は黙っててくださいね。私、泣いたなんてバレたら恥ずかしいので」告げた言葉は虚実半々といった所だが、これからする教員への言い訳を黙認させるのにどれほどの効果があるのかは不安だった。どうか彼が余計な事を言いませんようにと願いながら彼の横に躍り出て。「先生?何してるって…恭司郎は私の目にゴミが入ったのを取ろうとしてくれてただけですよ?」しれっとそう告げて)
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