義賊のギルス 2019-11-25 23:28:40 |
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( レオは彼の言葉にしゅんとしながらも聞き分けは良いのか『 じゃあ僕友達を護れる勇者になれるんだね! 』と笑顔で笑っていて。父親も彼の言葉に安心したのかすみません、と頭を下げながら微笑み、暫く彼らの後をついていけばスラム街に到着して。まず始めに感じたのは鼻をつき捻じ曲げるような異臭。強烈な腐敗臭は胃の中を掻きまわして吐き気を催すほどの悪臭。己は吐き気まではいかなかったが立ち込める悪臭に軽く頭痛を感じつつ一切表情には出さずに周囲を見回して。ゴミ山の中で瓦礫を漁る子供たち。その手足は異様に細いのにお腹はぷっくりと膨れている。典型的な飢餓状態。知識として知ってはいたがやはり実際に目の当たりにするのとでは全く違い、ショックは受けつつも目は逸らさずにしっかりと現実を受け止めて。ゴミ溜め山を抜けると異臭は薄くなりトタンの家が立ち並ぶ住所地へと。珍しい部外者に好奇の目を向けられるも気にせずに奥へと進めば入り口に立ち並んでいたトタンの家よりはいくらか丈夫なレンガ造りの家に案内されて。レンガ造りと言ってもひび割れや劣化が酷い。いつ崩れてもおかしくない中で生活しているのかと思うと胸が痛むが彼らの案内で中へとお邪魔させて貰って。『 どうぞ、座る場所もないところですがゆっくりしてください。 』「 …いえ充分です。有難う御座います。 」座るようにと言われた場所は布が一枚敷かれた地面。だが、森の中で野宿することと比べれば贅沢なくらい。微笑んではとりあえず彼が先に座るのを待って )
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