ミステリアスで妖艶な雰囲気の美形(探偵) 2019-11-10 16:38:54 |
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…お前がそれを望むなら…そうすればいい。
( 自分の言葉は彼にどう響いたのだろう。喉を鳴らし涙を拭い、震える声で彼は決意を語る。でも先程の不安に駆られたような弱々しいものではなくその声には強い意思が確かに宿った。自分が彼にかけた言葉は今まで辞めていった助手に告げたものと変わらない─しかしその意味合いは天と地ほど違っていて。静かな笑みを浮かべたままそう短く伝えたのは変わらないが、その内は全く異なる。こんな風に言われた経験は一度だってない。こんな自分の傍にいたいと願い、口にしてくれるのはきっと…。「…松間…礼は言わないからな。…相馬、行くぞ」車が停車したと言うことは病院に着いたということ。となればこの車内にこれ以上居てやる義理はなく助手席に座る松間へ一言告げてはパトカーのドアを開け彼に声をかけると車外へと出て。そのままめんどくさそうに溜め息をつくも、ここまで来て立ち寄らないのもある意味時間の無駄としか言い様はなく遅れてやってきた彼を伴い、病院の中へと足を踏み入れて。受付に行けば当たり前に看護婦に酷く驚かれて即診て貰えることになって。あの警部は実に気が利かない。連れて来ると言ったら本当に“連れて来るだけ”なのだ。事前に病院に連絡を入れておいてくれればもっとスムーズに診察を受けられたのに。彼も同席の元、診察が始まりその結果はこれも案の定骨折。運良く綺麗に骨が折れていたようで安静にしていれば問題なくくっつき自然に修復してくれるそうで。入院を言い渡されたが、もちろん却下した。入院費が勿体ないし、正直病院なんて退屈で窮屈極まりない場所には居たくはない。理屈から屁理屈まで織り混ぜて入院を回避することに成功。しかし完全なるギブス固定を余儀無くされる。これも窮屈だが入院に比べたら…否比べるまでもない。診察代等彼に支払って貰って帰りはタクシーで事務所兼自宅へと戻ることになって )
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