ミステリアスで妖艶な雰囲気の美形(探偵) 2019-11-10 16:38:54 |
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──せっかくちゃんと褒めてやろうとしたのに…お預けだな…。
( 自分の後方から近づく男には気づいていた。でも己は彼に“二人をやれ”と言ったのだ。それは当然自分の後ろにいる奴を含めてのこと。その意図を汲んだというよりは此方が気づいていないと思ったように見えた彼だったがきちんとコンテナの上へ持ち前の運動神経の良さを発揮して来ては背後にいる男を華麗に沈めてみせた。“よくやった”珍しくそう褒めてやろうと思ったが彼の技を受けてもなお起き上がる男からの攻撃を避けようとしない彼の首根っこを掴んで引き下がらせ庇うように前へと出て左腕を内へ曲げて勢い良く振り下ろされる鉄パイプを受け止めて。骨の砕けたような感覚、突き抜けるような痛みが走ったが口元から笑みは消えずに彼を視界に入れることはなくぽつりと呟いては、ガラ空きの腹部へすかさず蹴りを入れて。鳩尾に入ったようで動かなくなる男を一瞥してはパトカーのサイレンの音と共にパトカーが二台工場内に入ってきて。その助手席に見知った顔を発見しては早々に立ち去ろうと思い、「…帰るぞ」彼に一声かけてはコンテナから足場をうまく使って下へとトン、トンっと降りていき。左腕はだらりと下がったままだが特に気にしてはおらずに一目散で工場内から出ようとしたが─『天才探偵様は最近やけに肉体派な仕事もしているようだな?探偵は探偵らしくしてろよ。…まぁ俺は楽出来るけどなァ?捜査並びに確保に御協力頂き誠に感謝する。つかこれ折れてんだろ?痛み感じないのかお前、痛覚どこにぶん投げてきた?』目付きの鋭い長身の男がパトカーの助手席から出て来ては行く手を塞ぐように前へ立つ。一番視界に入れたくない顔なだけに嫌味と感謝に聞こえない感謝をされては爽やかに微笑んで一言も発することなくその脇を通り過ぎようとしたがあろうことか折れているであろう左腕を遠慮なく掴まれ再び走った激痛に表情こそ笑顔だが怒りで青筋が立ち「これはこれは…頭が筋肉な警部じゃありませんか…俺なんかに構っていないでさっさと犯人確保したらどうです?つか離せ…俺に触るな」最初こそ形式通りに挨拶をするもののすぐにそれも止めて吐き捨てるように口にして右手で男の手を引き剥がして。この男は警察の人間。警部という肩書きを持つそこそこ出世している自分より少し年上な印象を受けるが年齢までは知らないし興味もない。『なんだその態度…よーし、そこまで可愛いげない態度とりやがるならもっとお前が嫌がることしてやるか。病院まで強制連行の刑だ。…お前…今のこいつの相方か?こんなくそムカつく奴とよく一緒にいられるよな…こいつなんか止めてうちに来ないか?安定した給料!頑張れば俺みたいに出世だって出来る。その気があるなら…』『松間警部…若くてアクティブそうな子見る度にスカウトしないで下さい。それに応じて来た子なんていないじゃないですか…。病院行くのは賛成なので、そこの君、埜上さん後部座席に乗せて見張っててくれますか?何度か逃げられてるんで』隣から被せて来たのは最近直属の部下になったようで見知った女警官で。隣にいる彼に自分のことを見張ってて欲しいとちゃっかりお願いしている。何故自分がこいつのいるパトカーで送られなければいけないのか。その件で中心にいるはずの自分がすっかり蚊帳の外で話が決まりつつあるのが全くもって気にいらない。不機嫌そうな表情は隠さずに眉間に皺を寄せて )
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