ミステリアスで妖艶な雰囲気の美形(探偵) 2019-11-10 16:38:54 |
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……俺は薬の副作用で怠くて体に力が入らないだけだ…お前こそ大丈夫じゃないだろ。…自分で歩くから下ろせ…こう言う場合は…痛みを与えて一時的に脳を覚醒させれば…どうとでもなる。
( 彼は電流が収まったと言った。それは今しがたまで体に電流が流れていたということ。自分を気遣いコートを羽織らせてくれ横抱きしてくれている彼の方が大丈夫ではないだろと口にして。横抱き出来る腕ではないはず。先程の指令でとうに限界がきているだろう。ただでさえ薬のせいで体に力が入らないから自分の全体重が彼の腕にかかることになる。それは避けたくゆっくりと片腕を上げ懐から取り出したのはサバイバルナイフ。キンと刃を出してそのままグッと持ち手を握るとじんわりと腕に嫌な痺れが起こる。プルプル手が震える感覚も感じながらも勢いよく自らの膝から少し下の太もも辺りにサバイバルナイフを突き立てて。突き立てた所からは血が湯水のようにドクドク流れ落ち「…ぐ…っ…ああ…っ…これで動く…下ろせ相馬。歩ける」痛みに声を上げるも鈍くしか動かせなかった手や足の感覚が痛みのおかげで戻ってはこんな中でも口角は上がり再度彼に下ろせと告げて。「……早く出るぞ…」半ば無理矢理下ろさせれば刺さったままのサバイバルナイフを真っ直ぐに引き抜いて。そのまま何事もなかったように足早に歩く。その度に血が太ももを伝い足首に流れ廊下を汚すも構わずに歩いて。出口の扉を押して外へ出る。するとそこには複数のパトカーが停まっていて。その中の一つのドアが開き中から一人の男が出てきて。それはあのいけすかない警部ではなくその姿に目を見開いて。『狼苑…無事か?ああ…またお前はそんな無茶をして…こっちに来なさい。すぐに手当てをさせよう』穏やかな口調で自分の名を呼び柔和に微笑む男は此方に近づき伸びた手は慈しむように髪を撫でてくる。その手をパシッと反射的に払いのけ「……結構です…貴方の手は借りない。というか何をしにここへ…いえ…答えなくていい…失礼します…」浮かんでいた笑みは消えその表情は消える。これ以上顔も見たくなく口さえ聞きたくなくてどうしてここへ来たのかとついて出た問いすら飲み込んでその脇を逃げるように足早に歩いて。─が、その瞬間ガッと腕を掴まれ再び目は見開かれどこまでも穏やかに微笑む顔を視界へと入れ『愚問だな…愛しい息子がピンチなら駆けつけるのが父親だろう…?ああ…今は…もう少しだけ遊ばせてやろう…、しかし狼苑…いずれお前は私の元に帰ってくるよ…必ずな…。総員、我が愛しい息子を危険な目に遭わせた不届き者を一人も逃がすな!突入!』呪いのような言葉はその口元から紡がれては掴まれていた手は離れて。そうこの男は自分の父親。そして警視庁のトップに君臨する。何も言葉を発することはなく部下へ指示をする声を背にその場を後にして )
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