ミステリアスで妖艶な雰囲気の美形(探偵) 2019-11-10 16:38:54 |
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……そうだな、その方があいつも喜ぶ─なんて…俺が言うと思ったのか?仮にそうでもあいつから直接言われたわけじゃない。重要なのはあいつがどうしたいか…。少なくとも自分に危害を加える奴の下で働きたいとは思わないだろ。
( 彼と共に出ようとしていた扉が自分が出た瞬間に閉まってはそう言えば最初に“自分だけが出られる”と言われていたなと思い出して。その時また青年の声が聞こえてきては彼を置いて帰れと言うもの。彼には今以上の生活と給料を与えると好条件を引き合いに出して。何やらこれはこの青年が単独で行っているわけではないと直感がして。自分が考えている通りならこの青年のバックにいるのはあの人だ─だとするなら彼の身の保証はどこにもない。伏せ目がちに納得したように口を開くもすぐに顔をあげてはそれは彼が決めることだと告げて。彼の口から直接そう言われたのならまだしもそうではないのなら自分一人で帰るという選択肢はなくて。「…生憎、代えは今のところ利かないんでね…あいつも連れ帰りたいんだが…?交渉の余地はないのか?俺はお前に言ってるんだ」はっきり言えば代えはいない。しかしながらそう口にするのも返って危険。青年に交渉をしてみることにして。『……埜上様のお願いなら…。ただし彼をあそこから出したいなら僕の言うことを聞いて貰います…宜しいですね?』返ってきた声はどこか高揚の色さえ滲む。「…さっさとしろ。……」一言だけ言葉を紡げば『分かりました…では迎えの者をそちらに行かせますので少々お待ちを…」至極穏やかな声は聞こえなくなり静寂が辺りを包む。──と思っていたが察知した気配に反応し、直ぐ様体を構えるも『埜上様、抵抗なさいませんよう…我が主の元へお連れするだけです。貴方に本気に抵抗されては敵う者などここにはおりません…ですので、どうか…』間近に聞こえた丁寧な物言いの男の声。構えを解けば背後から鼻から口元にかけてハンカチが当てられる。「……っ…、」息を止めようにもふわりと香った甘い匂いに強烈な眠気が襲って。『…驚いた…この香りに抗う方がいるなんて…。強烈な眠気に気絶するように眠りにつく者が大半なのに…でも貴方が抗えば彼はあそこから出られませんよ…』体から力が抜けていくもそれに抗うように口元に当てられるハンカチを掴む手を掴んで爪を立てて。驚いた声が背後から聞こえるも自分が抗えば捕らえられた彼は出られないと聞けば立てていた爪を離すのを最後にだらりと手は落ちて。意識も薄れていきこの男に横抱きされ運ばれていることには気づかずに。先程の彼の照れた顔が浮かんでは意識は途絶えて )
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