愛たい人 2019-11-08 19:18:27 |
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うぅ、誰にも見られないように大切にしとこう…
(受け取った写真を鞄の中へと入れつつも、もう王様は歩き始めていて、後ろの口裂け女の「気が早い彼氏様ですね。でも、とっても仲が良さそうで羨ましいわ」との発言にまたもや頬が朱に染まった。失礼しますと逃げるようにその場から立ち去れば、赤毛がかった特徴的な髪色の少年と擦れ違う。祭りの場には不釣り合いな憂いを帯びた瞳。小学生…か、中学生か。"一人で何処へ行くの?"そう声をかける間も無く、その姿は人混みに紛れていった。何となく胸に引っ掛かりを抱きながらも王様を待たせている事に気付けば、急いで彼が赴いた林檎飴の屋台へと足を運んだ。美味しそうと言うよりも宝石の様にキラキラと光る"それ"が綺麗で思わず瞳を奪われては)
***
嗚呼…。
(そこに多くの言葉は必要無かった。こうやって抱き締め合っているからこそ感じ合えるものもある。今、彼女が嬉しいだとか安心しているだとかの感情を抱いているという事は、シグナルで感じれている気がした。ふぅ、と幸せが降り積もってやってきた息を吐けば、その体勢のまま「そう言えば…二人で何処か出掛けたり…するか?ほら、旅したり俺もジムの仕事があったりで、余り外で遊びに行くって事はしたことねぇだろ?」と所謂デートの誘いをしてみせる。別にこのまま家に居座り続けるのも構わないのだが、変な気が起こってはまずい。何がなんでも自制する様に努めはするが、ちゃんと順番は踏んでいきたいからと謎の自己完結を迎えて)
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