──とある島の恋の行方──【再建】

>21 如月 紗香

(日差しが照り付ける中,程よい風も吹き,いい波に乗れるチャンスではと,サーフボード１つとダボッとした海パンにビーチサンダルのみで,浜辺へと向かう. 浜辺に着けば,まさに女優やモデルのような格好をした女性が,海を眺め思い出に浸っていて.こんな島にあんな女性はいただろうかと,その女性横目に見つめながら,ビーチサンダルを適当に砂浜に放り投げて海へ向かおうとするが, ハッと思い出して立ち止まっては,彼女の方に向き直り,目を見開いて)
え、もしかして……、紗香！？


>24 桜庭 美乃

(祖父母の畑で取れた野菜を近所に配ってくるように頼まれて,夏野菜の入ったビニール袋を何袋か持って家を出る.何処から回ろうかと考えながら,ダラダラと歩いて. 自転車か原付で来れば楽だったなと,歩いてきたことを少し後悔していると,向こうの方に昔から見慣れた小柄な娘を見つける. 2年経って変化はしているだろうが,彼女ほど小柄な女性はこの島には少ないので,すぐに分かる. 両手に持っていた袋を片手に持ち替えて,手を上げ左右に振りながら)
おーい！美乃ー！帰ってたのかよー！?


>26 小鳥遊 郁

それ、今も高校生がよく買ってくわ。
(丁度スーパーでのバイトをあがり,少し買い物して帰ろうとしていた時に,ドリンクコーナーで幼馴染で島に残ったもう1人の彼を見かける.どうやら高校の頃によく買っていた商品を見て,思い出に耽っているようで, さっと隣に来ては,同じ商品に目を落としながら声を掛ける. 「これから仕込み？」と少しだけ背が高い彼の顔を見上げて,これから仕事があるのか,何気なく尋ねて)


>38 夏凪 千花

(夕飯も終えて,風呂にも入ったが,寝るにはまだ早いし,何となくコーラが飲みたいと思い,自転車でコンビニへと向かう. ずっと島にいると,この星空は当たり前になってしまっていて,わざわざ見上げる事もなく,ものの数分で目的地へ到着する.本命のコーラとカップアイスを買って,店から出ると丁度,誰もいないと気を抜いてるのか女性が鼻歌混じりに歩いて此方へ向かってきて. 誰だろうと目を細めてみると,その正体に気づき,パッと表情を明るくして,すぐさま声をかける)
千花じゃん！連絡ぐらいよこせよ。