! 2019-11-01 16:11:42 |
通報 |
「なにここ…何か湿気てる……気持ち悪い……っ、え?」
(彼女は自らの足元がならす異音に気づく。ぴちゃり、ぴちゃりと。彼女は恐る恐る首を足元に向けてみる。そこには、真っ赤な液体が、そして愛する人の首が転がっていた。無惨な死体と化した愛人を目にした貴方は思わず後ずさりをし、血液が匂わせる独特の匂いに吐きそうになる口と鼻を抑え、涙目になってしまう。思考が脳内を駆け巡る。どうして。どうして自分が、こんな目に、嫌だ。死にたくない。死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない。もう貴方の思考は狂気に飲まれ可笑しくなっていた。しかしそんな貴方を元に戻す衝撃的な出来事が、次の瞬間には起こる。羽音がするのだ。ぶーん。ぶーん。と、不快な羽音が。傍にはいないはずなのにその羽音はまるで耳に纏わりついているかのように離れない。音はだんだん近づいて、大きくなっていく。ぶーん。ぶーん。ぶーん。ぶーん。音は鳴りやまない。聴こえ続ける。いや、聴こえているのではない。まるで脳内に直接羽音と言う情報を注ぎ込まれているかのような感覚に陥る。人間には本来感じることの出来ない感覚。そのとき、貴方を誰かが震わせる。とてもとても低い音が、振動となって貴方を震わせる。けれども、何が鳴っているのか。そもそもここは何処なのかさえわからなくなる。ただ、あるのは暗闇と、音と、身を震わせるような寒さだけ。寒い。寒い。さむい。サムイ。サムい。凍えた体はうまく動かない。いや、動いているのかもわからない。触っているのかどうかすらもわからないのだ。何も見えない。いや、そもそも目を開いているのかさえわからない。自分が立っているのか、座っているのか、そもそも、自分の肉体があるのか。震えているのは肉体なのか。それとも、魂なのか。そもそも、果たして、本当に、自分は存在しているのだろうか?そんな思考を抱いたと思ったら貴方はまわる。世界は回る。ぐるり。回転する。降りていく。何かが降りていく。いや、落ちている?その時その瞬間、貴方は気がついてしまった。自分の首と体が切り離されていることに。そのことに気づいた貴方の思考は再び狂気に呑まれていく。貴方は落ちて、落ちて、堕ちていく。もう何もわからない。狂気の、底へ。)
(ホラーテーマに書いた適当な短めの長ロルです。勧誘可能です)
トピック検索 |