のら 2019-09-04 04:23:30 |
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( パタパタと部屋で鳴り出した規則的な生活音。ソレはまめな同居人が掃除を始めたことによるものだが、彼はその様子に一瞥をくれた以外に別段関心を寄せるふうでもなく、すぐに視線を元々向けていた手元の紙面の先へと戻して。彼の持つ金の双眸。ソレが一頁一頁ゆっくりと味わうように紙面に注がれ、その長い指は瞳の滞在時間に合わせてやはりゆっくり丁寧に紙面を捲る。そんな動作が幾度か繰り返された後、ある一頁で彼はすっと双眸を細めれば、ぴたりと頁を繰る手を止めて。よほど趣深いことでも掲載されているのか、これまで以上にそこに印字された写真を注視した彼は、“──うん、強いて言うならこれですかね。”なんて一つ頷いてみせると、すぐ傍にいるブロンドの彼に頁そのままに雑誌を寄越して。 )
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