>一色様 ___ 御待たせ致しました 、旦那様 ( 白檀の香が焚き染められた 、行燈の照る奥廊下 。緩慢な動作でそっと膝を付き襖を開ければ 、 指を揃えて深々と一礼を 。ゆるり頭を擡げ透き通る薄茶を見詰め )心より 、御逢いしとう御座いました ( 双眸三日月に細めつつ 、首傾け薄く微笑んでみせて )