梔 2019-05-10 21:27:49 |
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>>梔
(微かに揺らいだ紫銀の瞳はすぐに真っ直ぐに此方に向けられるもその表情は何処か戸惑いの色が見られて。思慮深く懇切丁寧な彼のこと、此方の気持ちを汲んで言わせてしまったかとも思うがそれだけでもない気がして。もしかしたら彼はただ甘えることに慣れていないだけではないかと。生まれながらにしてマフィアの生まれ。自分では想像も付かぬ厳しい教育や訓練を幼い頃から受けてきて、親に甘えるという一般では当たり前のことも出来なかったのかもしれない。…思えば自分は彼のことをあまり知らない。元々深入りする性分でもなく聞く機会もなかったこともあるが…まあ過去など関係ないかと。それよりももし彼が甘えることに不慣れなら自分が甘やかしてやりたいと、調子の良いことを思えば抱えていた寝具を一旦畳の上に置くと何処か子供を褒めるように彼の髪を柔く撫で「…うん、ありがとう。そうして貰えるかな?今日に限らずその傷が癒えるまで。」と小さく微笑んで。それから風呂場の浴槽に湯を溜めると以前も彼に着せた先代の着流しを用意して持たせて背中を押すように風呂場まで付き添い「ゆっくりしておいで。もし何か困ることがあれば呼びつけてくれていいから。」再び彼に艷やかな髪を指を梳くようにして撫でると怪我をしていない右肩をぽんとして)
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