梔 2019-05-10 21:27:49 |
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>>榊
(組に帰還するものの、組の中は慌ただしく、暗く重い空気が立ち込めている。しかしその中でも常時と変わらず身を粉にして働く者も多く、目の前のイチもそのうちの一人…否、その筆頭。毎回医療チームの人数を上回る怪我人の相手をし、常人ならば嫌になるであろう仕事を嫌な顔一つ見せずキビキビと働くその姿は正しく男性版ナイチンゲールといえる。その白衣の天使は真剣な顔で自分に注射器と薬、そして与えてくれた忠告を脳に叩き込みながら手の中で受け取った箱を開けて中身を確認する。「あぁ、分かった…ありがとう。イチには世話になってばかりだな。」彼も、榊さんのことを心配しているだろうに、と少し申し訳なく思いながらもそう伝え、続けて榊について聞こうとするもそれを邪魔したのは帰ってきた兄の『戻ったで。おもろい事ようさん聞けたわ…お、丁度ええわイチ君に聞きたいこともあるし、今からちょっと皆でお話ししよか』という声。そこからは医務室の中で茉莉花の報告が始まり『つまり、坊は催眠状態にあるんと思うのが一番自然や。そんなら催眠状態を解くのが最もな手段やけど…坊が催眠が解けるまでじっとしといてくれはるとは思わへん。付け込まれた弱みも多分マフィアへの恨みやからかなり強いやろ。そこでイチ君、榊の坊がそれに等しいくらい何か強く思う信念みたいなんは何かあるか?』と問い。
『…連れてきて榊の目の前で殺せ。ただし、少しでも抵抗…いや、不審な行動をするようであれば問答無用で殺して連れてこい。こっちの戦力を減らすんじゃねぇぞ。』チッ、と忌々しそうに舌打ちした赤髪の男はそう部下に指示を出し、彼に向き直る。『約束を破るわけじゃねぇ。大蛇についてだろォ?ゆっくりお話ししようじゃねぇの。』と胡散臭い笑みを貼り付け、馴れ馴れしく彼の肩を抱いて近くのソファに座り。近くの手すきの部下に茶を入れるよう指示して話を続ける。『で、大蛇の何が聞きたいんだい?榊誠君?…あー、もしかしてアレかな?大蛇が抗争の時、周囲の人を敢えて巻き込んで殺すように仕向けてるって噂かな?』と不穏な餌を榊の目の前に垂らし、それに食いつくのを待つ。自身の手の内としては情報を今の段階で言うのは得策でなく、適当にはぐらかして部下の持ってくる睡眠薬入りの茶でも飲ませようというのが本音。丁度その茶が目の前に運ばれてくると、部下が置いた睡眠薬の入っていない自分用の茶を一口飲んで『まぁ、飲めよ。飲めねぇってこたぁねぇよな?』と彼に勧めて。)
(/毎回毎回遅れて申し訳ありません…!今回出てきた大蛇の噂についてですが、その噂の内容については、『大蛇のトップは実は顔の知られた大物で、その人物が抗争に顔を出す時は目撃者がいない様に、相手チームだけでなく、周囲の一般人も事故に見せかけて皆殺しにしている』という感じのものです。噂なので本当か嘘かどちらでもいけるかな、と思ってのことですが、何か不都合等ございましたら何なりとお申し付けください!)
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