主 2019-02-18 16:51:22 |
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(彼が言葉を発した後、目の前に原稿用紙の束が積み重ねられており。ポカンとして仕舞えばこれも自分が考えるのか、なんて思ってしまうのだが。それも仕事の一環かと思いつつ相手の顔を見れば先生のように此方に話し掛ける彼。そりゃあ文学を嗜んでいる、とは言ったものの拙い文章になるのは目に見えているのに。本当に自分に任せて良いものかと思いつつ、目を伏せればその原稿用紙に目を向けて。これくらいなら書けるか、と本格的に書くことにすれば彼は一方的に話を終えて窓辺の机へと向かって行き。仕事、とは言っているが欠伸をしている彼のことだ、もしかしたら休養を取るのかもしれない。)
「さて、と…」
(ポツリと呟いた彼女は息を吐いてペンを持ち。原稿用紙の一枚目の欄外の部分に【登場人物】なんて書いて仕舞えば1人ずつ名前を考えて行く。1人目は__春宮 桜なんかにしようか。春を思わせる安直な名前だが、これで良いだろう。性格は優しく朗らかで少々天然、と記載すればあることを思いついて。登場人物は4人にしよう、と考えればそれから書き始めたのは夏河 向日葵と言う明るい活発な女の設定。次に秋山 紅葉〈モミジ〉、女のような名前を嫌う男、と記載して最後に冬野 雪、大人しく物静かな性格と記載する。そう、この4人の共通点は『季節と季節に由来する名前』が入っていること。)
「…んん…安直だなぁ」
(独り言も捗りながら、次の原稿用紙に手を伸ばす。それからあらすじを書こうとペンを持ち直し。)
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