主 2019-02-18 16:51:22 |
通報 |
(ご無理をいって申し訳ありません)
「………ん??誰かな……」
(前日の夜は酷かった。睡魔と戦いながら、原稿を仕上げていたのだから。締め切りが迫ってるからってあんなに怒らなくたって良いじゃないか。心の中で毒づいたことを思い出す。机に突っ伏すようにして眠っていると、インターホンが響いた。重い身体を起こすと、玄関の方へ覚束ない足取りで向かい)
「はーい……はい、原稿に何か不満な点でも?」
(声が聞こえた気がしたが、聞き取れなかった。どうせ編集者だろう。彼は普段から本音を隠さないが、寝起きの彼は一段と本音を隠さない。アシスタントを応募したことなどすっかり忘れているようだ。寝癖が目立つ髪の毛や、眠そうな目、怠そうな声を隠すこともなく玄関のドアを開ける)
トピック検索 |