ななし。 2019-02-15 19:33:49 |
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>伊鈴
(彼の平静を装った言葉になるほどを納得がいく。その言葉は同じ立場であるからこそ分かること。彼がどれほど主の存在に妖力が左右されるかは知らぬが、己も主がいることで何かと動きが制限されるのは確かで。彼はそんな不便を踏まえても橘に仕える身となった。彼ほどの長寿で高貴な妖が何故に、と少し興味を持ちつつ弱っても尚鋭さを失わない銀色の双眸を捉えて。と、少々お遊びが過ぎたか、ズンと空気が沈みどよめくような禍々しい妖気に、まるで魂を鷲掴まれた感覚に陥り此方が優位に立つにも関わらずダラリと冷や汗が伝う。彼が深手を追っていなければ殺されていた、そう思わせるほどの妖力に振り払われた手をそっと握り込み)
すまない、戯れが過ぎたようだ。……っと、その身体で無茶をするな。何も此方にあんたを襲う気はない。
(元より相手を襲う気も、怒りを買うつもりもない。実際は怒らせてしまったので其処は反省しなければならぬが、彼の怒りを残したままでは後々己の身も主の身も危ない。感情を顕にする相手を嘲笑うこともせず大人しく素直に謝れば悪気はないと視線で伝える。無理が祟ったのだろう、体勢を崩す相手に気付けばそっと肩に手を添え支えてやり。「すぐ解いてやる…、主の元へはその足で帰れるな?」と彼の整った顔立ちが歪むのが見られるのも後々ないだろうなとほんの少し惜しく思いつつ、呪符へと手をかける。まさしくその印を解こうとしたとき、またズンと空気が沈む。相手と同等か少し劣るくらいの妖力、これは牛鬼だったか。その気配がもの凄い速さで此方へ向かってくるのが分かり周りの木々が風でざわめき立ち。「どうやら今のあんたの妖力を察して食いに来た奴がいるようだな…、全く好奇心で下手に動くものではないな」と此処へ来た自分の判断を少し後悔しつつも良い退屈しのぎにはなりそうだと微かに口端を上げる。さて、彼は戦力に成り得るか、それともとんずらされるか、予想も付かぬがすっと呪符を解くと彼を背後に此方へ向かってくる妖怪を待ち受けて)
>明巳
(呑気に笑う相手にまた小言を零しそうになるのを堪え短く息を吐くも、常の流れなので逆に落ち着いてしまっている自分もいて。そんな自分に内心随分絆されてしまったなと呆れつつ、彼の言葉に耳を傾け彼が一言二言喋る間に饅頭を二個、四個を口の中に放り込み胃袋に収めていく。煉切を見た反応は上々、やはり鮮やかな甘味に似合う彼の微笑みはそれこそ花咲くようで綺麗な梅の煉切も今は見劣りしてしまう。彼がこの菓子を口にしたときどんな表情をするだろうと密かに期待していると、お茶汲みという横入り。使用人が去り際に此方を咎めるように見てきたのは、恐らく主の隣りに座るなど不躾だと言いたいのだろうが素知らぬふりをしてまた饅頭を口に放り込んで)
それを食べ終えたら真の梅でも見に行くか?…町へ降りずとも森の中にも自生しているし、其処の方が人目もなく落ち着けるだろう
(先程相手が中庭に目をやっていたことを思えば、やはり菓子などではなく本物がいいのかと思案し、上記を平常通り抑揚のない物言いで提案してみればちらりと表情を窺う。その間にも風呂敷の上につまれる饅頭の山は低くなっておりいつの間にやら三分の一ほどまでに減っていて)
>榊殿
(まるで見世物でも見るような余裕で胡座をかきだした相手は少々気に食わないが今は目の前の賊への恨みが勝るため、それについては咎めずに最後の一人が白目を剥いて動かなくなったのを確認すると刀を引き抜いて血を払い鞘に収めて。そうして彼へと目を向け汚れのない鶴とその作り笑顔を見やり何か見透かすようにすっと目を細める。実際彼の事はよく知らないが、その作り笑顔でさえも様になって見えるのは彼の整った顔立ちのせいか、当主である人徳か、どちらにせよこの惨状を見ても動じないのは流石である。増して続く言葉は此の場を楽しむ申し出と戯言。此方が本気になれば契約した妖がいない主など殺ろうと思えば殺れるというのに、まるで此方が彼自身の首を取らないと分かっている言い草。実際そうなのでやはり彼は曲がりなりにも当主としての威厳を持っているようだと一人分析しては、距離感を保ったまま彼を見据えて。「 礼はいらぬ。之は己の私心で殺ったまでのこと。あんたの為じゃない。それに俺の主はあんたの首を持ち帰った所で喜びはしないだろう 」と淡々とした声色で少々当主に対しては不躾な態度を取りつつも今はそれを咎める我が主もいないため特に気にせずに。憂さは晴らした、さっさとお暇しようと思うがふと帰ってもどうせ暇なことを思い出す。ちらりと相手を見ては少し思案した後「 礼をと言うのならば、あんたの邸を一度お目にかかりたい 」と裏も何もなく他の当主の暮らしぶりがどんなものか興味本位で申し出て)
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