通りすがりさん 2019-02-13 22:21:11 |
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(助けを求めるのは癪だった。彼のプライドがどうしても邪魔をするけれど、一歩踏み出そうとはしているのだ。彼自身も。けれど、彼は口籠もりながら目をキョトキョトと動かす。なんと声を出せばいいのか分からなかった。下を向いた後に手を握り締める。__助けを求める、なんて格好悪いことはできない。誰だって悪いことはしない。誰だって悪いことがどんなものか、自分で決めている。)
「…ま、まぁ。…貴方がどうしても、って言うなら…話し相手、くらいなら」
(プライドの壁を越えることができない彼は不器用にそんなことを言うと、少々顔を赤くして目を逸らす。そういえば自分は相手の名前を知らない…。けれど、上手く聞く気もなくて目を逸らすばかりで。__守って貰うんじゃない。コレは、アンタの話を僕が聞いてあげるだけだから、なんて。いつだって強がりを言って。)
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