罪 2019-01-12 17:26:13 |
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>>垂
(相手が男を連れ出すと、想定外のことではあれど標的をわざわざ逃すわけにもいかず、後を付ける。いつもは着ないスーツの首元を緩め、ネクタイを両手に構えて息を殺しつつ相手達の様子を見ると、男が丁度薬のことについて話し始めたところで。幸い人目につかないところであった為、そのまま音もなく男の背後に回り、構えていたネクタイとそこら辺にあった適当な鉄製の棒を使い、効率的に首を締め上げる。濁点混じりの悲鳴は小さく、抵抗こそあれどものの数分でことは片付き。ふ、とため息を着けば相手に向き直り「…どうも。」と小さく挨拶を。ここにこの男を放置すれば相手に迷惑が掛かる、と予測すると酔っ払いを担ぐようにそれを担ぎ。男の懐から封筒に入った札束を抜き取ると相手の足元へ投げて寄越し「呑みの代金はこれで…助かりましたよ。水仙さん。」と皮肉げに笑い)
>>榊
(ふと、彼の返した言葉が滞っているように聞こえると、彼の顔色を見る。ぎっしりと詰まった語彙録から、スラスラといつも流れる川のせせらぎのように心地よい言葉を紡ぐ彼が自分との会話で言葉途切れになるとは、それだけ珍しいという事なのだ。彼のそんな意外な一面、人らしい一面、少し残酷な面…様々な彼を知るたび、それが嬉しくあり、優越感を覚える物だと知ったのは最近のことである。“頭”に忠誠を誓うこととはまた別の、自分の抱く彼への執着。徐々に募るそのような感情が決して褒められるようなものでないことは承知しているが…「…お可愛らしい。もっとよく見えてくれませんか…?」するりと言葉が漏れ出る。なんとなく、これまでの経験から微笑みに隠された表情が照れているよう感じる。彼の微笑みは好きだが、その微笑みは彼を包む仮面でもあり、悲しみも怒りも、丁寧に包んで隠してしまう。それを暴いてみたい、そう強く願うようになったのは好奇心か、嗜虐心か。そんな欲を言葉に隠しながら彼の頬に手を添え、その微笑みを覗きこみ。自分の手元から離れたお猪口を辿っていた視線は、緩やかな腕の繊細な動きを辿り、喉へと移動して、酒を嚥下し上下に動くその皮膚から目を離せず。まじまじと見るのが失礼だとは、と我に帰れば、振られた自分への話題に「…俺、ですか?」と驚いた様子で。彼が個人の過去を聞くことがほとんど無いと思っていた為、つい一人称が乱れてしまう。しかし同時に、自分へ興味を持ってくれたのか、と嬉しく思ってしまう気持ちと、彼の笑顔に口元が少し緩み。「承知しました。…お耳汚しではございますが、少しばかりお付き合い願います。」と簡単に前置きをすると、言葉を選びながら、枯れ葉の落ちるようなポツリ、ポツリと先代の話から始めて。先代から短刀の内が一振り、自称「酔鯨」をいただいた話で一つ区切りをつけると「…よろしければ、榊さんのお話を伺っても?」と空いた彼のお猪口に酒を注ぎつつ、あくまでも彼の意見を尊重できるように、だからだけ静かな声を装い)
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