罪 2019-01-12 17:26:13 |
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>>梔
(アジト内に入れば敵はほぼ壊滅状態、流石相手率いる部隊。残った数人の敵を斬り落とした所で、耳にツンと響く自分を呼ぶ声に、いけないな…と思わず苦笑が漏れる。自分よりも蒼白な顔をしていそうな相手に振り返ればあえて怪我をしているほうの腕で相手の頭を軽く叩くように撫で「大丈夫大丈夫、ほら全然動かせるし、そんな顔しないの。」と軽く肩を回して見せると口布の上から相手の頬をぷにっと摘み笑って見せて。そこに駆けつけて来た新人が「お、おれが…、」と言い掛ける前に首を横に振って制すると、改めて事を終えた戦場を見回す。転がる肉塊に鉄臭、味方は全員無事なようで、相手もこれだけの数の敵を討ったにも関わらず息も上がっていない。「お疲れさま…、こっちも重傷者は出てないし怪我した子は救護班に診て貰ってるから大丈夫だよ。でも……、」と少し険しい顔をする。怪我が痛むからではない、何か違和感があった。嵐の前の暗雲が立ち込める嫌な感覚。「この規模の組織の大きさでこれだけの火薬量を集められるとは思えないんだよね…。もしかしたらバックにもっと大きな力が働いてる可能性が……───梔。」と違和感の推測を話すうち瓦礫の奥に蠢く気配を感じて。恐らくはずっと身を潜めていた組織の主格。仲間の死を目の前にして隠れていられるとはどんな神経の持ち主なのか、ともあれ逃がす気はない。声を落とし相手の名を呼ぶことで、退散しようとする敵を捉えるよう命じて。)
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