匿名 2018-12-09 20:50:41 |
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(ぼんやりと、声が聞こえる。薄い樹脂一枚隔てられた水中のような籠った声は、なんだかとても心地良くて。その声に甘えて水底に沈むのも魅力的だったが、彼女の癖ともいうべきか
習慣がおちおち安心させてもくれなかった。ふっと瞼を上げると申し訳なさそうに少しだけ狼狽え、眉を垂らして苦笑を浮かべる。) あの、…紅茶、ありがとうございます。ええと、
その、…すみません。(眠ってしまった罪悪感から背筋を伸ばし、彼との時間を睡眠なんかに費やさなくて済んだ安堵に、竦んだ肩を下ろす。勿論軽く微睡んでしまっただけで彼が腹を
立てるような人物でないことは重々承知だが、だからと言って罪悪感が消える訳ではない。どこか気恥ずかしそうに視線を落とす。) ちょっとだけ、気抜いちゃってました。如月さん
の前だとだめですね。(冷えた掌で自分の頬を挟むように叩く。気休め程度だったが音頭の差で若干目が覚めた。)
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