匿名 2018-12-09 20:50:41 |
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(背後に彼女の気配を感じては言葉では言い表し様のない安心感を覚える。良かった。今日も彼女と僅かばかりの時間を供に過ごすことが出来る。大したことでは無くても、少なくとも現代社会から逃れのらりくらり無意味に老いを重ねる自分には少々豪華過ぎる。コンロ上の鍋の中の水面に複数の泡が浮かぶのを確認しては火を止めて、ぼんやりと熱の伝わる鍋の取っ手を掴み側のテーブルに置き、視界に立ち上ぼる真っ白な湯気は鬱陶しそうに手ではらう)毎日この寒さだと参っちまうよなぁ。お嬢ちゃんこそ、気を付けなよ?何たって未だ楽しい盛りの年頃だろ?(先程迄冬風の吹き付ける外気に晒されていたのにも関わらず、此方の体調を気遣う彼女の姿勢には流石だと感嘆する。俺とは違ってな、なんて脳に浮かんだ自虐気味な言葉は気が付かなかったフリをして目を背ける。)飲み物、何がいい?紅茶で良かった?(棚の中のマグカップの中で一番綺麗に見える物を取りだした後にふと気が付けば、彼女はソファーに背を預け瞳を閉じていた。やはり疲れているのだろうかと、要らない世話である事はと自覚しつつ思案して。)
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