小説家 2018-11-29 01:25:00 |
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(相手の思いを汲んで会食の提案を了承すると、代理の担当を歓迎すべく腕を奮う相手に其方の準備は任せ再び部屋に戻ると筆を進めて。一方、約束通りの時間に屋敷に到着した編集者たちは居間に通されていたが、肝心の女性編集者は落ち着かない様子。屋敷の立派な門構えに、迎え入れてくれた人の良さそうな世話役を名乗る青年、そして少しお香の香り漂う整頓された室内。憧れの先生の住む所と思えばその全てに感動してしまい、ピンと背筋を伸ばして座りながらも緊張した面持ちで。呼びに向かった相手の足音と共に静かな足音が聞こえて居間に入って来たのは長年憧れ続けた先生本人で、「ご苦労様です」というなんの気ない声に本物だという実感が湧いてきて思わず感動を露わにしつつ、ガタンと立ち上がり。尻尾があれば左右にブンブンと振っていただろうというくらいに瞳を輝かせて挨拶を。)
し、東雲先生…!一ヶ月代理の担当を務めます、三木梓と申します!私、先生の大ファンで…まさかこんな幸せな機会が自分に訪れるなんて、信じられないくらいです。先生に憧れてこの業界に入ったようなものなので、感動しちゃって…新作も、何回も読み直しました。特に好きなのは「鶯の夢」で、言葉のひとつひとつが本当に綺麗で切なくて…毎日持ち歩いてます!彼処の表現も──
(三木、と呆れたように隣の編集者に呼ばれて我に帰ると興奮して喋りすぎてしまったと慌てて顔を赤くして「一生懸命頑張りますので、よろしくお願いします!」と付け足して再び座り。その様子を見ていた本人の表情は、一見しただけでは分からないがどことなく普段よりも優しさを感じるもの。全く同じようなことが7年ほど前にもあったと、相手が直談判に来た時の様子と目の前の彼女が重なって見えていて。その後は腰を下ろして当たり障りのない挨拶を。)
…随分と威勢の良いお嬢さんだ。分からない事はこっちの総一郎に聞いてくれ。
(昔の棗君を彷彿とさせる感じの女の子にしてみました!結果的に二人の距離を縮める役割を担ってもらいましょう…!
二人の想いが通じる瞬間も楽しみですね*)
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