山姥切長義 2018-11-14 21:27:41 |
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(審神者のいる部屋へ訪れ、声を掛けてから入室の許可を貰い、襖を静かに開ける。そこに審神者の姿を確認してから後ろ手に襖を閉め、審神者から少し離れた位置に正座をする。「報告を聞かせて欲しい」と促され、これまであったことを包み隠さず審神者に話した。『声』を辿ってあの空間を見つけたこと、同じ方法で朽ちた本丸を見つけたこと、そこで封印されていた己の元となった本歌がいたこと。…本歌は望んでいなかったのに、自分の判断で無理矢理連れ帰ったこと。審神者は一言も口を挟むことなく最後まで静かに耳を傾けていて、全て話し終えた時に「成る程」と呟いて一つ頷いていた。まだ情報が少ないのでなんとも言えないそうだが、審神者の見解だとあの空間は『改変された歴史のまま進んでいる世界』なのかもしれないと告げられた。正しい歴史では聚楽第はとうに滅んでおり、資料にその存在が残されるのみ。それがあの場所に在ったということは、間違いなく遡行軍の手が加えられているのだろう、と。「出来れば本歌から話を聞きたいが、すぐにそうするのは流石に酷だろう」とも言われ、頷いて同意する。あの本丸の状況や本歌から聞いた言葉の端々から察するに、敵に襲われて壊滅させられたのであろうことは想像が付くからだ。暫くは静かに休ませてやって欲しいと進言し、審神者はそれを快く聞き入れてくれた。…そこまでは良かったのだが、「山姥切長義の世話役は君に任せる」と唐突に言われ、は、と声を漏らしながら呆然としてしまった。すぐに我に返った後は言葉の限りを尽くして自分がどれほど本歌にとって害にしかならないのかを必死に訴えたが、やんわりと躱されてしまい、頑張れと言われて放り出されてしまった。重い足取りで本歌がいるだろう客室まで向かったものの、どんな顔してどんな言葉を掛ければいいのか思いつかず、客室の前で途方に暮れたまま小さく言葉を漏らして)…どう、すればいいんだ…
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