山姥切長義 2018-11-14 21:27:41 |
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(本歌の深い青色の瞳から涙が溢れるのが見えた。後ろ向きに俵担ぎをされているせいか仲間達には顔が見えない体勢になっていて、そのせいか涙に気付いた者は誰もおらず、最後尾に位置した自分が偶然見てしまった形になる。最終決断を下して本歌を悲しませた張本人が唯一その涙を見てしまうなんて、最悪極まりない状況だ。心がギシギシと音を鳴らしているような気さえしてくる。自分が見てしまった事に気付かれないようすぐに視線を下げて布で顔を隠したお陰か、悲痛な声を出す本歌は気付かなかったようだった。そのことに安堵しつつも、その声を聞いてまた心が軋む音がした。暫く暴れていた本歌は、本丸に付く頃にはすっかり大人しくなっていた。抵抗しても無駄だと思ったのか、それとも単に体力が尽きたのか。これ以上自分が関わってしまっては本歌を追い詰めるだけだと思い、担いでいる仲間に「客室まで連れていってやってくれ」と声を掛けてから、審神者に報告すべく一振り別方向へと向かう。一度だけ僅かに振り返り、聞こえないであろう小さな声で呟いて)…すまない
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