小説家 2018-10-24 19:26:17 |
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──はいよ、直ぐに行く。
(筆を止める事なく原稿に文字を連ねながらも良い閃きを与えてくれたのだから蔑ろにすることは出来ず、相手の言葉にはきちんと返事を返しつつ慌ただしく去っていく足音を聞き一人僅かに笑みを浮かべて。小説が好きだという理由だけで家政婦を買って出てこんなにも長く此処に居座っているのだから変わり者には間違いないが、創作にも健康にも良い影響を与えてくれるのだから合格点には達しているだろう。当然それを相手に告げる事は一生無いだろうが。それから少しして立ち上がると、机に置かれたままの湯呑みを手にする。普段なら気付いても机に置きっ放しにするが少しくらい褒美を与えなければと思い、良い香りのしている廊下を通って居間へと向かい、台所にいる相手の元に何も言わず湯呑みを置きさっさと机について)
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