小説家 2018-10-24 19:26:17 |
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ん、いい匂い。
(煮物は待っている時間が長いので、台所へ小さな丸椅子を運んできて腰掛けては本を読んでおり。漂ってくる香りは我ながら食欲をそそるもので、つい言葉が口からこぼれる。人参と、頂いた里芋の煮物。主菜は秋刀魚の塩焼き。味噌汁は豆腐とわかめ……と、温めるために再び火をかけようとしたところでふいに手を止めて。先に先生に声をかけてからにしておこう。ただでさえ煮立たせてはいけない物だから、万が一にもまた言葉の合戦でもしようものなら台無しになってしまう。煮物の火を止めて読んでいた本を戸棚の縁に置くと、先生を呼びに執筆部屋へ向かい)
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