整頓係 2018-10-19 08:26:53 |
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No.2 「 最後の一日 」
┗ 暴虐の王が君臨する大国に搾取される小国、其処に生まれたのが彼女だった。上に四つの姉を持つ彼女は、王位の継承も見合いの順番も全て姉達の後だった。生まれた時から五番目の彼女に与えられるのは五番目に相応しいものばかり。そんな彼女を哀れ惜しくも救ったのは、隣国にて暴虐と名高い若き王だった。王と彼女の婚姻は小国と大国の同盟を対等にする好機。五番目の彼女に拒否権などある筈もなく、五番目の姫君は止める者も現れない内に恙なく王の本妻となった。暴虐と名高い若き王の妻になったことを誰もが憐れみ、誰もが同情した。然し王は彼女以外の女性を娶ることなく、彼女だけを一途に愛し続けた。彼女もまた、その愛に目を眩ませて王の全てを容認し続けるようになった。なぜなら彼女は初めて一番となれたからだ。_____これはそんな二人の一日。二人が和やかに過ごすことのできた、最後の一日。太陽が昇り、太陽が落ち、月が昇り、月が落ちたとき。王都と共に彼女の話は幕を下ろすだろう。
┗ 暴虐の王に嫁いだ小国の五番目の姫君 / NL / 萌 : 盲目心酔、デレデレ、素直 萎 : ツンデレ、やんちゃ、元気っ子 / 短から / 姫君は15歳以上、王を愛している前提で
┗ 提供C : 国民に過酷を強いる暴虐の王 / 金髪碧眼 / 端整だが冷たい顔付き / 179糎の普通体型 / 王冠と赤いローブ / 27歳の若さにして父親を暗殺し王の座に就いた残虐非道な王 / 家臣も国民も家族でさえも信じていない / 姫君に一目惚れし、嫁がせてから洗脳に近い愛し方で夫婦円満を成し遂げた .
┗ 書き出しロル : ____ お早う。今日は随分と早いな。まだ陽が上がり切っていないが、目が覚めたのか。
( 其処は二人の寝室。最高級の柔らかさに包まれながら、波打つ感覚に意識を覚醒させると動きの原因である隣の姫君に起き抜けの声を掛けた。未だ開き切っていない目が捉えた外の色は薄暗く、夜とも見紛う暗色に本来ならば寝ている時間であることを悟る。珍しく少しばかり残っている眠気も証拠の一つに上がろう。定位置を探すかの如くベッドの中で動く細い手足を絡め捕ると、己の手中に閉じ込めその動きを封じる。その仕草は幾らか可愛かったが、同時に寝起きの不機嫌さを助長し兼ねなかったために。そうして近付いた距離を詰めたところで此方はとうに目が覚めたが、起きるか起きないかは全て彼女に委ねることにしよう。 )
もう一度眠るのならば悪夢を見ないよう共に寝てやろう。起きるのならば君の為にモーニングティーを淹れてやろう。選ぶと良い、全ては君の通りに。
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