匿名さん 2018-10-13 23:17:46 |
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(あれからどのくらい時間が経ったのだろう。
百ほど数え、もうその数に意味などないと覚えてしまったのも随分と前の話。日が昇っては沈み、月が昇っては沈むのをただ空虚な心で追い続け、それでも意味を待ち続ける毎日だった。失念と希望を繰り返し、季節の移り変わりと擦れ違う様に一人残されては涙などとうに昔枯れ果て、遂には自分の醜悪な執拗に嫌気が差してきたこの頃。
もうこの期待に別れを告げろ、と心のどこかで聞こえた気がして、振り払おうと今日も向かった先には思わぬ光景が)
──……月…白?
(しばらく離れた所にてこちらに背を向け、葉から零れる月光を浴びながら樹を見上げるその姿、嗚呼、忘れる訳が無い。忘れる筈もないあの姿で。
我を疑わざるを得ず、その場で棒立ちになりながら大きく目を見開き、もう一度「月白…」と彼女の名を震える声で呟いては)
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