。 2018-10-08 09:01:17 |
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( やっと頭で理解すれば、一気に寒気がした。…………ガラガラと玄関から戸をあける音がした。)…………なんだよ。( ただの思い違いかよ。恥ずかしい。肩の力が一気に抜けた。机に倒れこんではあーもう今ので疲れた。また寝ちゃおっかなー…なんて、いつもの僕らしくないことを考えてくすりと笑ってしまった。襖が開いた先の濡れた足を横目で確認すれば、)おかえりー、風邪ひくからはやく服を………( “変えてきなよ”。それが出ないのは、しっかりと本人を視界にとらえ、刃物を持つ右手を確認したからだ。顔を見れば、赤のあいつがこちらを見ている。辛そうな、切なそうな、悲しそうな、恋しそうな…………いろんな感情が混ざっているようにみえる目だったが、そこには殺気があるとは思えなかった。ゆっくりと近づいてくる。怖くて僕は後ずさりする。一歩、また一歩と…………ゆっくりと追い詰められては、壁まで追い込まれてしまった。ただひたすらに見つめあう僕達。かすれる声を懸命に出す。)ね、ねぇ、どう、したの…?右に、何持ってるの…?ちょっと、頭打っちゃった…?デカパンにでも、見てもらったら…?( 何をいっても無反応だった。目はずっと、僕の目を見ている。)
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