2018-09-12 21:29:21 |
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ある日の放課後、クラスで数名が呼び出された。その中には自分の名もあり、従うままにひとつの教室に向かえば、そこには同じく呼び出されたのであろう生徒達が居た。人数は2クラス分くらいだろうか。その中には中等部の制服を纏う者も居れば、高等部の制服を纏う者も居る。何かがおかしい。そう思った瞬間、奇妙な顔をした狐が何処からともなく現れ、そして高い声が響いた。
「 残念ながら、この時代にも歴史修正主義者が現れてしまったようです。 」
「 命令です。以前のように刀を振るいなさい、戦いなさい。 」
「 あなた方には付喪神の加護がついています。今からお配りする形代に少し念じてみればあなたの刀が、──いえ、あなた自身が、姿を現すことでしょう。 」
そうして渡されたのは家紋のような柄の入った人型の和紙。その紙を手に半信半疑に念じてみれば、それは姿を現した。やけにしっくりと手に馴染む、刀が。
誰もが混乱していたが、誰も取り乱すようなことは無かった。この時にはもう皆、何か感じていた。友人やクラスメイト、同学年の面々に対してだけではなく、まったく見知らぬ相手に対しても湧き上がる──既視感と、懐かしさを。
❀
それから幾許かの月日が過ぎた。今までの日々が続いているようでいて、偶に、鬼のような姿をした魔物に出会うようになった。初めて遭遇したその日でさえ、それが狐の言った『 歴史修正主義者 』だと分かった。刀の使い方など分からないのに、身体は自然と動いた。それは何故、なぜ、なぜ…?
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