【〆】劣等感を沈めて

(ぼうっと聞き流していたものの、シワが増えると言われればあぁまた不機嫌そうな顔をしていたのかと気づきハッと目を目を開いて。怖いとか睨んでる？だとか言われて一応改善に勤めようとはしているのだが、正に癖である。そんな風にわかりやすく反応してしまったのが気恥ずかしくなったが、もともと口下手でもある、特に言葉が出て来ず黙り込み。そのままに台所にいこうとするが相手が着いてくるといえばなんだ珍しい事もあるな、と相手を振り返り。いつものヘラヘラした笑顔を眺めても、その内心はよく読めない。急に手伝いを申し出た理由はなんであれ、そもそもこの生活能力0の男がなんらかの役に立つのかという疑問はある、というか正直皿洗いとかしてて倒れられたら本当に怖いのでやめてほしいのだが。まぁいくら自分が鈍くてもわかる。これを言うのは残酷だ。というかこんなに心配して過保護か、と自身にツッコミをいれつつ「期待はしてないから邪魔はするなよ」と皮肉交じりに、できる限り気軽に見えるように告げる。ただ、なんでもなさげにするというのは難しい、というか相手に比べたら雲泥の差で下手な自信がある。きっと気づかぬうちに、その明るい笑顔に自分も騙されているに違いない。注視したとして、気づける自身は全くないが。また巡り出した無駄な振り切るように前を向き歩き出して、台所に入ればすぐに割と広いシンクに立ち皿を洗い始めて。)
そこ、布巾あるだろ、それで拭いてって……皿落とすなよ？