主 2018-08-09 18:49:12 |
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>佐介
( 己一人の足音しか聞こえなかった廊下にもう一つの足音が加わり、人の気配も色濃くなって来れば俯き加減だった顔を上げ前方を見遣り。前から歩いて来るのは見知った顔で、敬語の抜けた口調を咎めはしないものの、その名前で呼ばないで欲しい、と奥底でコンプレックスに対する嫌悪を秘めつつ当たり障りのない返答をして。 )
佐介こそ、まだいたのね。…まあね、仕事。
( 後輩の前で疲れを見せてはいけない、と気を引き締めようとしたのも束の間、眼前の彼が腕を広げて突拍子もない事を言い出すと、一瞬動揺から身体を硬直させ。次いでじとりとした目線と共に顔を近付けると、彼の額を軽く小突き。 )
なッ───、馬鹿な事言ってんじゃないわよ、もう。
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