ストーリーテラー 2018-08-02 22:59:06 |
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>リープ
…良かった(魔法は上手く作用したようで、ゆるりと目尻を細めて。けれどそれに反して、示された反応は警戒そのもの。口でどう取り繕おうと、本能が魔法を行使する者を敬遠しようとしているのは明らかで。どこか寂しげに微笑みは掻き消え、そうして漸く思い出したのは眠り姫の物語の概要。「君を暗い眠りに堕としたのは、悪い魔女と、悪い魔法に包まれた糸車…そうだっけ」便宜上確認を取ったものの、彼女の物語はあまりに有名で、だからこそ自身も確信を持っていた。けれど、本当にそれが真実なのだろうか?自分が灰の姫にしたこと、あの手紙の文面―それらを鑑みれば、彼女の物語からこの城へ連れ去られるべくは、眠り姫と魔女の筈。それが真実でないとしたら、眠り姫を忌々しい眠りに堕としたのが魔女でないとしたら―?「きっと此処には、灰の姫もいるんだろうね。それが、俺達の物語の“真実”だから。君の物語の真実に触れるのは、眠り姫たる君と、誰なんだろうね?」まだ見ぬ愛しの姫に思いを馳せながら、その歪みが目を覚ますかのような心地を覚え、いつの間にか蛇の様な怜悧な弧を口許に浮かべていて。意味深な物言いだが、果たして核心に触れているのかどうかは定かではなく)
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