あかつき 2018-08-01 17:39:01 |
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祖父に贈られた物ならば、と先程まで感じていた不気味さはいつの間にか感じなくなっていた。
「っていうか、じいちゃんってこういう友達居たとか全然知らなかったんだけど。親父は知ってんのかな?」
祖父から数々の友人の話を聞かされてはいたが、物書きの出来る友人なんて聞いた事もない。
ましてや、本を貰ったなんてあの祖父なら自慢気に見せて来そうなものだが…。
それだけ大事な物だったのだろうか?
「なら売るなよ、じいちゃん。」
がくり、項垂れる様につっこむ。
ふう、と一つ息を吐いて次は表紙に手を掛ける。
表紙を開くと。
「夢の世界への入り口。」
もう一度背表紙を確認する。
夢の世界に行ける本、やはりそう書いてあった。
夢の世界への入り口って…安直だな。そう、俺は口には出さずに心の中で呟いた。
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