あかつき 2018-08-01 17:39:01 |
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それにしてもさっきの本は、気味が悪い。
カウンターの端から、俺を見ている様な気さえしてくる先程の不気味な本。
「作者、わかんねぇんだよな…じいちゃん、誰に貰ったんだよ?こんな気色悪い本」
もう一度見てみようか?
いや、見たくなる訳が無い。出来ればこの本に足でも生えて何処かに行ってくれないものか、とさえ思ってしまう。
すると、先程の本ににょきにょきと足が生えた。
「な…!?ええ!?」
ただただ驚きの声を上げ、カウンターの後ろの壁のギリギリまで後退る。
すると、足の生えた本はバランスの悪い歩き方で歩いていく。バタッと音がしてから、かさかさという音が同じ所から聞こえてくる。
「何なんだよ、ったく…」
出来るなら関わりたくない。だが、もしこんな所を客にでも見られたら…余計に客足が遠退いてしまいかねない。
意を決し、俺は音のする書店の奥へと向かって行った。
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