ヴァンパイア 2018-07-19 17:51:28 |
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ご苦労、もう帰っていいぞ
(新築の真新しい部屋には慌ただしく荷物を運んでいた引越し業者の人間数名と、ソファに座って本を読む1人の青年がいた。茶色の木材が敷かれた床に落ち着いたベージュの壁紙で部屋は統一されている。広いリビングには1人がけ用のソファとテーブルしかなく、あとの荷物は全て2つある個室のうちひとつへと入れられていた。作業が終わったらしい引越し業者に目を向けることなく厄介者でも追い出すように青年はしっしっと手を払う。用済みだから出ていけという意味らしい。それに対して引越し業者は奥歯を噛み締めていたがそんなことには目もくれず、この青年、ヨハン・ユーリウスは読書を再開した。ようやく手に入れた静かな生活。上階の物音も聞こえず隣人が騒ぐこともない。それなりの値段だったのだから当然だ。大学からも近く利便性も抜群。引越し早々ヨハンはこの暮らしを満喫していた。だが彼は知らないだろう。このあと自分しか開けられないはずの鍵があけられ、一人の人間が入ってくることを。そこから思わぬ方向に運命が変わっていくことを)
(/早速開始文投下させていただきました!改めましてどうぞよろしくお願いします!)
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