R.E. 2018-07-08 17:48:39 |
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初夏の頃、高瀬昴は幼馴染の笹原杏里と二人でとある森を訪れていた。そこはひんやりと涼しく、避暑にはちょうど良い場所。
しかし散策を初めてまもなく、上空から降り注ぐ大粒の雨水。追って突然の激しい雷雨に見舞われ、やがて視界も怪しくなっていく。身体も冷え始め、二人は雨宿りが出来る場所を探すことに。
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カッパも持ってこれば良かったね。
( 自然一杯の風景を描きたいからと誘った森へのお出かけは、思わぬ形で中断されることとなった。降りしきる雨は止む気配を見せず、追い打ちをかけるように雷まで鳴り始める始末。リュックの中の画材道具は持ってきていたビニール袋で二重に包んだため恐らく無事だろうが、傘もカッパも持っていなかった二人は随分濡れてしまっている。森の中だからか雨の所為か、雨に打たれた肌から感じる寒さも徐々に増していた。やや急ぎ足になっている靴の中もとっくに水浸しだ。しかし嘆いたところでどうにかなる訳でもない、この雨を凌げる場所を探さなければ。少しでもこの場の空気が和らげばと苦笑を浮かべながら上記を告げ、水を含んで額に張り付いた前髪を横に避けて )
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〈聞き耳〉
高瀬昴 → 61(失敗)
笹原杏里 → 82(失敗)
何の前触れもなく、歩いていた二人のすぐ後ろから何者かの声が突然聞こえた。雨音に紛れて二人に近づき此方へ声を掛けたようだ。
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