吸血鬼 2018-06-27 00:10:52 |
通報 |
別に特別なことはしなくてもただ……そうだな、新しい趣味でも見つけた方がいいかも。この屋敷に本がたくさん置いてる部屋ってある?
(ラザロと波長があうのは確かで、それならば特別なことなどしなくともただ毎日穏やかに過ごしていれば彼ともっと親しい関係になれるのかもしれない。しかしそこにはラザロがずっと傍にいてくれるからというハリーの下心があり、それをハリーは自覚していて言いかけた呟きを飲み込んだ。自分の都合を彼に押し付けるわけにはいかない。代わりに微笑みを向けつつ書斎か図書室のような部屋があるか問う。本と対話していれば自然と彼との接触時間も減るはずだ)
それくらいの心持ちでいよう。絶対出るなんて意気込んだらきっと息が詰まって苦しくなる。でもいつかは…出れるといいな。できれば僕が医者になる時間があるくらいの時に。……なるほど、それが僕がここに入れた理由か。つまり僕は君にとって餌どころか極上のステーキってとこなんだ。本当に怪我しないように気をつけないと
(この屋敷をでる方法なんてラザロが散々ためしただろう。このまま屋敷で一生を終えても困る人間はいない。だがもし出ることができるのならば、願わくば約束を守れる期間だけであって欲しいと分厚いカーテンを見つめながら言う。血液型に関しては医学生の知識で抗原の話までは頷きながらきき、だがその味の話になると体を静止させ、彼の話しを聞いていた。思わず唾を飲み込む。ラザロが血液を欲する吸血鬼だったならばすぐにでも吸血されていただろうと余計なことを考えながら「嫌な奴だな」と天井を見上げつつポツリと呟いて)
トピック検索 |