吸血鬼 2018-06-27 00:10:52 |
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違うんだラザロ、人との繋がりや誰かと一緒にいることなんて、いくらでもできる。でも…手に入れても、すぐになくなってしまうんだ。僕の指の間から、漏れて、崩れて、消えてしまう
(彼の手が頬に触れる。体温のない手がひんやりと心地よかった。そしてポツリポツリと言葉を紡ぎ出す。手にしてしまったらいつか失ってしまう。その度に心を痛める。それならば最初から持たなければいい、それがハリーの行き着いた答えだった。だが本当に必要なのは、彼の言う通り他人からの温もりなのだろう。実際今、ラザロと目を合わせたら色々なものが溢れそうだった)
っ、…ラザロ、僕は…______ラザロ、僕は、もう…大切な人が冷たくなっていくのを見たくない…君が、君なら…僕と、ずっと……
(ふいにハグをされ、反射的に体を押しのけそうになった。これ以上はまずい。昨日した線引きの意味がなくなってしまう。しかし、ラザロの体は冷たいのに、背中に腕を回されてそばにいるのが分かると、胸が暖かくなる。気持ちのこもったハグをされるのはいつぶりだろう。背中を優しく叩かれる度に心身の緊張が解けていくようだった。そして口をついて出てしまった奥底にしまい込んだ願い。それを口にした途端に感情が溢れて嗚咽が漏れそうになり思わず口を手で塞いだ)
…ごめん、ちょっと…取り乱した。話しを戻そう。魔女は君が自害するのも妨害するのか。魔女の目的がわからないな、君を閉じ込めたいのに死なせたくはない……それと、僕だけ出られるっていうのは、どういう意味?あんまり…良い策ではなさそうだけど
(口を塞いで様々なものを飲み込んだあと深く呼吸をして努めていつも通りに振舞おうとする。魔女は彼を幽閉するのに殺さない、まるで鳥籠の中にいる飼い鳥の命を弄ぶようだと思う。そこまできてふとひとつの考えがよぎる。もし愛しいものをずっと手元に置いておきたいのなら、あらゆる外敵から守り、ずっと目をかけられる位置に置くなら…鳥籠が1番じゃないかと。その可能性に行き当たったが、まずは彼の話しを聞いてみよう。自分だけがここから出る方法…ラザロの顔は曇っていて無意識に彼の心臓の位置に手を置きながら、チラついた外へと出る可能性を問うてみて)
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