吸血鬼 2018-06-27 00:10:52 |
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使用人をみせるって………
(含みのある言い方に首を傾げていると、すぐにその答えはやってきた。特徴的な羽音、そしてお行儀よくバスケットを運ぶその姿。しばし口を開けたまま狐につままれたような顔をしつつコウモリ達とバスケットを目で追う。煙を伴って消えたときにはさらに目を丸くさせた。あたりを見回してみるも当然その姿はどこにもない。いまだに手のつけていない紅茶は宙を浮いたままだ)
ちょ、ちょっと待った。コウモリの使い魔に棺って。それに呪われた場所…あぁ、なるほど僕を驚かせようと…
(不可思議な屋敷に散見されるキーワード、そこから導きだされるのはひとつの伝説上の存在だ。当然そんなものを受け入れることはできない。乾いた笑いを浮かべつつ首をふるが紅茶のカップを持つ手は震えていた。そして勝手に納得しようとした矢先に信じられない言葉を突きつけられる。そこで初めて、彼に向かって敵意のある顔をむけた)
何を言ってるんだ君は。この屋敷から出られないなんて、冗談はやめてくれ。僕は医学生としてまだ勉強しなくちゃいけないし当然医者になりたいっていう夢もある。君の妄想ごっこには付き合ってられない!
(だんだんと語気が荒くなっていき、最後にはガチャリと派手な音を立てて紅茶のカップをソーサーにおいた。彼の気遣いむなしく頭の中は大混乱だ。奇妙な状況、奇妙な相手、そして告げられたこの屋敷から出られないという話。到底信じられないと椅子から立ち上がりゆっくり後退していって)
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