匿名さん 2018-06-10 12:20:27 |
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(最初に会った魔道具師に唖者と勘違いされたことを忘れたわけではないが、またもトークは相手任せにし、老職人の手元を眺めつつ、ぼさっと二人の会話を聞いていて。正直、今そこまで熱烈に腕輪を外したいという気持ちはなく、むしろ、老職人の問いかけに相手が迷いなく返事をするのを目の当たりにすれば "そんなに早く外したいのだろうか…" と少々不安にも似た感情が沸くが、ずっとこのままだと自分も困るのはそうだろう。大体、出会った日の翌日以降はたまたま平和に過ぎたが、この先も自分の立場がトラブルを誘引しないとは限らないし。そのようなことを考えていれば、老職人は突如、本を閉じ、テントの奥の方のごちゃごちゃと物が置いてある場所に移動して、何やら探し始め。やがて、戻ってきて丸椅子に座り直せば、再度、本を開き『やっぱ、ねぇな…』と一言。その後、ちらとこちらを見てきて、視線が合ったかと思うと、相手よりも老職人から少し距離を置いた位置にいた自分に向けて手招きしてきて。素直に従い、近付いてみると、次はいきなり左手を掴もうとされ。咄嗟に身を引くと、老職人は)
「とろとろしてんな!腕貸せや!」
(お怒りの様子である。魔道具師というのは手をいきなり掴んでくるものなのだろうか……と思いつつ、改めて腕を差し出しながらも、僅かな戸惑いを表情に出しつつ「……いや、腕輪見てぇなら言ってくれよ」と抗議すれば、老職人は片眉を曲げ『なんだ、お前、喋れたのか?』と完全にデジャブな台詞。思わず「……うるせぇよ。オレは寡黙なだけだ」と返すと、老職人は相変わらずの気難しそうな顔のまま『口悪ぃな、お前』と言ってきて。珍しく "お前に言われたくない" と "思う側" に回った感じである(←) それでも老職人は自身の腕を作業台の上に引くと、少し検分した後、何の断りもなく、持ち出した小瓶から薬液のようなものを垂らし。それでも腕輪に何の反応も見られないことを確認すると、相手に向き直って人差し指を立てて)
「まず、魔性ルミノール、それとオルセタイトがないと話にならねぇ」
(何でもその二つがないと、契約時に相手が出鱈目に書き込んだ文字が読めず、解除のヒントさえ得られないらしい。魔性ルミノールは大きな魔導師のギルドなどを訪ねたり、根気強く探せば扱っている魔道具屋を見つけられたりするかもしれないそうだが、オルセタイトの方は冒険家なのであれば鉱山に取りに行った方が早いとのこと。地図は持っているのかと聞かれたので、ショルダーバッグから取り出せば、それを受け取った老職人は、大手の魔導師ギルドが存在する街と、オルセタイトが採掘できる山、それぞれの位置を断りもなく書き込んで(←) その後、その地図を自分に返しつつ、片腕を作業台の上に持たれかけさせれば、相手の方に向き直り)
「問題は連絡手段だな。ワシはよ、今、ご覧の通り隊商暮らしなんだ。一ヶ所には安定してねぇ。飛脚みてぇな職の者を使えば、まぁ、何処に行ったか順々に辿られ、手紙でも何でも届くだろうが、高額になっちまうかもしれねぇのは容赦をもらいてぇな」
(/つくづくへっぽこなネーミングセンスですが\o∀。*/← 魔性ルミノールは魔法で精製される液体、オルセタイトは発光する石のイメージでロールしました← 息子様は大抵の珍品については知っていそうですね笑)
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