アリスは憂鬱な夢を視る　/　半無登録、指名制　/　NBL　/

>フラミンゴ


みんな、元気にしとるよ。伝えとくなァ。くりすます、って…こっちにもあるんやなァ。はろうぃんもそうやけど。( 自分を拾ってくれた帽子屋はどこに行っても知ってる人がいる。否、皆が知らない住人などいないのだろう。それでも、好きな帽子屋を知っているということが嬉しくて胸がぽかぽかした。自然とさらに柔らかくなる表情をそのままに、素直に感じた感想を口にし。不思議なクニなので、習慣やら何やら沢山違うところがあると思っていたが、意外と共通するものもあるらしい。然し、先程もらったマスコットを思い出すと元いたクニとは全然違うものやと思い直しては一人納得してしまう。そんな自分の世界に一瞬浸っていたうちに、息苦しそうな間を置かれたことに気付くと不思議そうな眼差しを送る。それに合わせて漏れた言の葉は聞いていないものだから驚いた。此処には海賊船があるのか！それすらも知らなかった！何とも心疼かせる単語だ。疼く心の赴くままに動くと迷惑がかかると思い出せば、心を落ち着けようと数回胸元を叩く。そんな自分の背中を押してくれる言の葉に反応し答えるよりも先に、決まり悪そうな様子が続いたのできょとんとしてしまう。数回瞬きをした後、ニィと口角を上げると「そんなら、案内お願いしてもええ？海賊船があるっちゅうのも、今知ったばっかでなァ。興味があるんやけど、一人で行動したと帽子屋さんにバレたらきっと怒られてまう」向けられた手の平を軽く右へと寄せ、距離を詰めては下から顔を覗き込ませる。悪戯が思いついた子供のような笑顔で提案をする。すぐに身を引けば「フラミンゴさんが案内してくれたんよ、って言えれば、帽子屋さんも安心するやろし、私も迷子にならんで済む…何より私が怒られんで済む。お願いや」迷子になった経験があるからこそ、迷子になるわけにはいかない。賭けに負けたことで、白の騎士から話を聞いた帽子屋から怒られたときの事は忘れられない。正座で小一時間程。正直怒られる、というのも悪くはないと思ったが、出来れば積極的に経験することは避けたい。何より目の前に新たに出会った住人との繋がりをそう簡単に手放すことは出来るはずもなかった。茶目っ気たっぷりに帽子屋の真似事でウィンクひとつ送り、此方がお願いしているから、後ろめたさを感じなくてもいいという意味を込め、改めてお願いをし)