赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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>エヴァンジェリン
(意思に応じて揺れ動く尾を気色悪がるでも怖がるでもないその反応は、女性には珍しいと素直に抱いた。剰えそれを素敵とさえ称されれば悪い気はせずに不愛想な仏頂面にも何を意地になっているのかにやけてしまいそうになる持ち上がり掛けた口角を煙草を吸う為の動作として誤魔化して、何もしないと言う彼女の発言が、何よりも"邪魔をしない"の一言が彼女は何の意図をせずに放ったのかもしれないが自身にとっての好感に繋がったらしい。「理解が早いアリスは嫌いじゃ無いぜ。───そう、大人だからある程度の理不尽は受け入れなきゃなんねぇし、面倒ごとも対処してかなきゃなんねぇんだわ。……お前は可哀想なアリスだけど、話が早いしキーキー煩くねぇ。仕方ねぇなあ、俺が見つけたアリスだ。腹括って一緒に面倒ごとに付き合ってやんよ」少し前まで土弄りをしていた手は作業着で拭ったと言え変わらず綺麗とは言い難い、そんな手で彼女の頭に触れれば彼女の様な甘く美しく、砂糖菓子のように繊細な女性には似つかわしくない雑な手つきでわしゃわしゃと、綺麗な巻き髪をわざと乱す様に数回撫で回し「困った時は助けてやる。」と片方の口角を釣り上げ、反対の眼をきゅうと細めるそんな笑みを共に言葉を添えて。触れていた手を離せば「住む場所も食うもんも心配要らねぇよ。アリスっつうんは女王候補だからな、大事にされんだわ。城に部屋が用意されるし、コックの作る美味い飯が朝昼晩に昼過ぎにはケーキだとかクッキーだとか菓子まで黙ってたって出てくるぜ」今から向かうべき場所である赤の城を示してクイと親指の先を向ければ「釣り合いが取れてんのかわかんねぇけど、悪い事ばっかじゃねぇっつうのも人生なんだよなァ」け、と鼻で笑うように肩を竦ませて)
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